小上がり収納はいらない?デメリットや後悔する理由を徹底調査!

リビングの収納力を増やしたいと考えたとき、真っ先に候補に上がるのが小上がり収納ですよね。おしゃれな和室コーナーが作れるうえに床下を有効活用できるなんて夢のような設備だと感じる方も多いのではないでしょうか。でも実際に導入してみると、思った以上に使い勝手が悪かったりメンテナンスが大変だったりと、後悔する声も少なくありません。特に小上がり収納のデメリットに関しては、設置してから気づいても手遅れになることが多いので事前のリサーチがとても大切です。今回は私が調べた情報を基に、良い面だけでなくリスクについても正直にお話しします。

  • 小上がり収納特有の人間工学的なリスクと事故の可能性
  • カビや結露が発生しやすい構造的な原因と対策
  • 設置費用や撤去時のコストを含めた経済的な側面
  • 後悔しないための具体的な代替案と賢い選択肢
目次

小上がり収納のデメリットと後悔する理由

モデルルームで見かける小上がりはとても魅力的ですが、実際にそこで生活を営むとなると、想像もしなかった「不便さ」に直面することがあります。ここでは、多くの人が導入後に初めて気づく具体的なデメリットについて、身体的なリスクや環境面から掘り下げていきます。

小上がりは後悔するからいらない?

小上がりは家具ではなく建築。安易に導入すると後悔する理由とリスク

結論から言うと、「収納量を増やすためだけ」に小上がりを導入すると、高い確率で後悔することになります。多くの人が「床下のデッドスペースを有効活用できる」というメリットに惹かれますが、実は建築的な意匠性と生活の実用性の間には大きな溝があるからです。

例えば、SNSや雑誌で見る素敵な小上がりは、生活感のない整った状態だからこそ美しく見えます。しかし、現実の生活ではどうでしょうか。洗濯物が積まれたり、子供のおもちゃが散乱したりと、小上がりの上は「物を置くのにちょうどいい場所」になりがちです。さらに、一度設置してしまうと簡単に撤去できない「建築構造物」となるため、「やっぱり邪魔だったから退かそう」と気軽に判断できないのが最大のネックです。収納家具を買うのとは訳が違うという覚悟が必要ですね。

危険な段差がつまずき事故の原因

小上がり最大の特徴である「段差」は、生活動線において大きなリスク要因となります。特に注意したいのが、10cm〜20cmという中途半端な高さです。人間工学的に見ると、この高さは歩行時に無意識に足を上げる高さの限界付近であり、視覚的にも段差として認識しづらい「グレーゾーン」と言われています。

小上がりの危険な高さ図解。10cm〜20cmはつまずき、30cm〜40cmは転落事故の原因に

ここが危険!
10cm〜20cmの段差は、高齢者や子供だけでなく、大人でも「うっかり」つまずきやすい魔の高さです。

また、収納量を確保するために30cm〜40cmの高さを確保した場合、今度は「転落」のリスクが顔を出します。特にハイハイや伝い歩きを始めたばかりの小さなお子さんがいる家庭では、小上がりの縁がまさに断崖絶壁となってしまいます。転落防止のフェンスを設置すればリビングの開放感は失われますし、老後に足腰が弱った際には、この段差がLDK内の移動を阻む「壁」になってしまう可能性も否定できません。

湿気でカビが生える収納内部のリスク

小上がり収納内部の湿気とカビのリスク。密閉空間による結露発生のイメージ

意外と見落とされがちなのが、小上がり収納内部の温熱環境です。畳の下が密閉された収納ボックスになっている場合、空気の逃げ場がほとんどありません。もし小上がりをベッド代わりにして布団を敷きっぱなしにしていると、寝ている間に体から出た水分が畳を通過し、収納ボックス内で飽和状態になります。

その結果、気づかないうちに収納内部や畳の裏側がカビだらけになっていたという恐ろしいケースも少なくありません。特に基礎断熱がされていない床下空間の上に直接ボックスを置いているような構造だと、床下の冷気と室内の暖気の温度差で「内部結露」が発生しやすくなります。大切な衣類や思い出のアルバムなどを収納する際は、湿気対策が必須条件となります。

掃除しにくいレールと隙間のゴミ

小上がりはロボット掃除機が使えない。レールの隙間に溜まるゴミと掃除の手間

日々の家事において、小上がり収納は「掃除のしにくさ」というストレスを生み出します。まず、最近の家事の頼れる相棒であるロボット掃除機が使えません。リビングのフローリングは綺麗になっても、小上がりの上だけはわざわざ掃除機を持ち上げて掃除する必要があります。

さらに厄介なのが、引き出し収納のレール部分や、壁とユニット畳の間にできる数ミリの隙間です。床面に近いレールには埃や髪の毛、食べこぼしが入り込みやすく、こまめに掃除をしないと開閉がスムーズにいかなくなります。壁との隙間も掃除機のノズルが入らないことが多く、長期間放置されたゴミがダニの温床になるリスクもあります。

狭い部屋だと感じる圧迫感の正体

小上がり設置時の天井高比較図。有効天井高2000mmによる圧迫感と部屋の狭さ

「部屋にメリハリが出る」と思って導入した小上がりが、逆に部屋を狭く見せてしまうことがあります。日本の一般的な天井高は2400mm程度ですが、そこに40cmの小上がりを作ると、その上の有効天井高は2000mmしかありません。身長の高い男性が立つと、天井がすぐ頭上に迫るような強い圧迫感を受けることになります。

また、床面が段差によって分断されることで、視覚的な奥行き感が失われます。特に10畳〜15畳程度のLDKの場合、家具の配置も制限されるため、空間全体が窮屈でごちゃごちゃした印象になりがちです。広々としたリビングを目指すのであれば、床のレベルはフラットに保つのが正解かもしれません。

もし、リビングに「くつろぎの場所」を作りたいという目的であれば、空間を区切らずに居心地の良い場所を作る「ヌック」という考え方もおすすめです。

ヌックをソファ代わりに!後悔しない活用術 – 小さい家研究室

老後の生活に不向きなバリアフリー

家づくりでは「今」だけでなく、数十年後の自分たちの姿を想像することが大切です。若い頃はちょっとした腰掛けとして便利な小上がりも、高齢になって膝や股関節に痛みが出てくると、40cmの昇降動作は大きな負担になります。

小上がりとライフスタイルの変化。老後や子育て終了後の生活を想像する重要性

バリアフリーリフォームの際に小上がりを撤去しようとしても、床の補修や壁紙の張り替えなど、多額の費用がかかります。「将来はフラットな床に戻せるように」と考えていても、実際にその時が来ると工事の手間や費用が億劫になり、不便を感じながら使い続ける「我慢の生活」になってしまうことも考えられます。

小上がり収納のデメリット対策と代替案

ここまで厳しい現実をお伝えしてきましたが、それでも「小上がりを取り入れたい!」という強い思いがある方もいるでしょう。ここからは、デメリットを少しでも軽減するための対策や、小上がりに代わる賢い選択肢について解説します。

高額な設置費用と撤去コストの現実

小上がりの設置費用と撤去費用の比較。将来的なコスト負担を表す天秤のイラスト

小上がり収納を導入するには、それなりの初期投資が必要です。大工さんに造作してもらう場合は30万〜60万円、メーカーの既製品ユニットでも15万〜40万円程度が相場となります。これだけでも大きな出費ですが、忘れてはならないのが「やめるときのコスト」です。

項目概算費用備考
導入費用15万〜60万円造作か既製品かで変動
撤去費用15万〜25万円解体、廃棄、床補修含む

もし将来的に撤去することになった場合、解体費や廃棄処分費に加え、床のフローリング張り替えが必要になるケースが大半です。「設置にお金をかけ、撤去にもお金がかかる」という二重の経済的負担は、資産価値の観点から見ても慎重に判断すべきポイントです。

マンションで起きる騒音トラブル

マンションでの小上がり騒音トラブル。空洞が音を増幅させる太鼓現象の図解

マンションなどの集合住宅で小上がりを検討している方は、「音」の問題に注意が必要です。小上がりの中空構造は、太鼓のように音を響かせる性質を持っています。これを「太鼓現象」と呼びます。

子供が小上がりの上で飛び跳ねたり、硬いおもちゃを落としたりすると、その振動が増幅されて階下の住戸に「ドンドン」という騒音として伝わってしまうことがあります。通常のフローリングなら遮音等級である程度抑えられる音でも、小上がりが巨大な共鳴箱となって音を増幅させてしまうのです。ご近所トラブルを避けるためにも、マンションでの導入には防音マットの施工など、十分な対策が求められます。

使いにくい収納を避ける賢い代替案

もし小上がりを検討している理由が「収納不足」なら、一度立ち止まって考えてみてください。出し入れしにくい床下収納を作るよりも、壁面収納を見直す方がはるかに効率的で使い勝手が良い場合が多いです。

ここがポイント!
収納は「分散」させるよりも「集中」させる方が、管理が楽になります。

小上がり収納の代替案。床下分散収納より壁面集中収納が使いやすい理由

例えば、壁一面をクローゼットにする、あるいは「畳ベッド」を寝室に導入することで、リビングの広さを犠牲にせずに大容量の収納を確保できます。特に収納計画については、家全体の動線と合わせて考えることが重要です。以下の記事では、収納を一箇所にまとめるメリットについて詳しく解説しています。

小さい家で後悔しない収納術|「集中型」とは?

失敗しないための置き畳活用法

置き畳(ユニット畳)のリビング活用例。段差がなく安全で可変性のある和空間

「どうしてもリビングでゴロゴロしたい」「和のスペースが欲しい」という場合は、「置き畳(ユニット畳)」を強くおすすめします。これはフローリングの上に置くだけの薄い畳のことです。

置き畳のメリット
・不要になったらすぐに片付けられる
・段差がほとんどなく、つまずきにくい
・数万円で導入でき、汚れたら買い替えも簡単

収納機能はありませんが、安全性と可変性という点では最強のソリューションです。将来的に子供が成長してリビングを広く使いたくなったら、畳をしまうだけで元のフローリングに戻せます。リスクを最小限に抑えつつ、畳の心地よさを手に入れるには最適な方法だと言えるでしょう。

小上がり収納のデメリット調査まとめ

小上がり収納と置き畳の徹底比較表。安全性、可変性、コスト、掃除のしやすさの違い

小上がり収納は、収納力とデザイン性を兼ね備えた魅力的な設備である一方、安全性、メンテナンス性、そして将来の可変性において多くのリスクを抱えていることがわかりました。いわば「諸刃の剣」です。

導入を検討する際は、現在のメリットだけでなく、10年後、20年後のライフスタイルを具体的にシミュレーションすることが大切です。「収納家具」としてではなく、一度作ったら簡単には戻せない「建築構造」として捉え、本当に我が家に必要なのかをじっくり検討してみてくださいね。迷ったときは、まずは手軽な「置き畳」から始めてみるのも賢い選択だと思います。

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